開催概要

国際シンポジウム「薬学の基礎としての糖鎖疾患生物学」

International Symposium on Glyco-minded Biology of Diseases as a Basis of Pharmaceutical Sciences

 

日時 平成2411月30日(金)・12月1日(土)

場所 東京大学伊藤謝恩ホール(文京区本郷7-3-1、東京大学本郷キャンパス内)

主催 東京大学大学院薬学系研究科 生体異物学教室

共催 東京大学グローバルCOEプログラム「学融合に基づく医療システムイノベーション」

   日本学術振興会研究拠点形成事業「ナノバイオ国際共同研究教育拠点」

 

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SS. Special Lecture

Prof. Tatsuro Irimura, The University of Tokyo, Japan 


S1. Immune Disorders / Immunotherapy

免疫系は、異なる機能を有する多様な細胞集団が相互に作用することにより個体レベルの免疫応答を達成するシステムである。この複雑系の本質である「多様性」や「相互作用」を規定する物質として、細胞表面に発現する糖鎖やその認識物質が注目されている。糖鎖とその認識物質が免疫疾患の表現型の決定にどのように関与するのか総括するとともに、難治性免疫疾患の治療法の発明・推進に一助となるような情報を提示したい。

 

S2. Cancer Biology / Functional Glycomics

海外と国内のがん研究施設で展開されてきた、基礎と臨床の融合としての腫瘍学の発展と現在を振り返る。1980年代に端を発する革新的ながん転移研究が、21世紀を迎えた今、治療・診断へと実を結びつつある。このような成功例を時間軸に沿って検証することにより、薬学研究者がどのような形で「腫瘍学」に貢献できるのか、そのあり方を考えたい。腫瘍マーカーとがん免疫の標的分子としての糖鎖に関するテーマを中心に取り上げる予定である。

 

S3. Infectious Diseases / Dystroglycanopathies

糖鎖を介した相互作用は異種の細胞間相互作用を規定すると予想される。上皮層と様々な細菌・ウイルスとの相互作用が鍵となる感染症を取り上げ、菌相や感染の成立を決定する分子機構や、これを利用した抗感染症薬の開発のアイデアを提示したい。この分野では糖鎖の多様性を定量的に記述するために、糖鎖プローブ、糖鎖チップなどを利用した網羅的解析法がますます重要になると考えられる。網羅的解析を可能にする先進的な試みについても本セッションで取り上げたい。

 

 

講演者

 

入村 達郎(東京大学・特別講演)

 

Nicolai Bovin (Institute of Bioorganic Chemistry, Russian Academy of Sciences, Russia)

Henrik Clausen (University of Copenhagen, Denmark)

James W Dennis (Mount Sinai Hospital, Canada)

遠藤 玉夫 (東京都健康長寿医療センター研究所)

Olivera J Finn (University of Pittsburgh, USA)

Minoru Fukuda (Sanford-Burnham Medical Research Institute, USA)

長谷川 秀樹 (国立感染症研究所)

堀  昌平 (理化学研究所)

Jamey D Marth (Sanford-Burnham Medical Research Institute, USA)

松島 綱治 (東京大学)

成松  久 (産業技術総合研究所)

Gabriel A Rabinovich (National Council Research and University of Buenos Aires, Argentina)

清木 元治 (東京大学)

田原 秀晃 (東京大学)